「ずる(嘘とごまかしの行動経済学)」を読んで(前編) (12/6)
「ずる(嘘とごまかしの行動経済学)」
(ダン・アリエリー著)を読んでの感想の前編です。

さっそく本文の引用から…
(引用は赤文字です)
相手が正直者かどうか、それを知る方法が一つあるーーーそいつに直接聞いてみりゃいい。
「そうだ」と答えたら、そいつは悪党だ。
ーーーグルーチョ・マルクス (P.9)
はい、こんにちは、悪党です。
茶番は置いといて、さて本題。
この本では、様々な"ずる"がし易い環境で、
人々がいかに"ずる"するのかを実験し、考察するということが試みられています。
著者のダン・アリエリー氏は、NHK Eテレの白熱教室という番組でも有名…のようです。
(ワタシミタコトナイ)
みなさまは"ずる"しますか??
しますって人はいないのかもですが、ゼッタイしないって人もいないのかも。
ずるの度合いにも寄りますが、なにがしか、過去にあるものではないでしょうか。
では本文に。
まず最初に出てくる実験は、制限時間内に初歩的な数字の問題を解くというもの。
そして解けた問題数(得点)によってお金がもらえるというシステム。
ただし、自己申告により、ウソもつける状況。
過大申請でお金をガッツリもらうことも可能…
さて、どのくらいの人が"ずる"するのか…
で、結果。
全体の平均を押し上げていたのは、得点を大幅に水増しした少数の人ではなく、ちょっとだけ水増しした大多数の人だったのだ。(P.29)
という、一部の人がガッツリ不正を働くのではなく、みな少々不正をしたという結果。
うーん、わからなくもない…
ここからは下記にように導かれています。
わたしたちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをするのだ。(P.34)
わたしたち一人ひとりが、絶対的に「罪深く」ならない程度にごまかしをする、自分なりの限界を定めているのだ。(P.41)
そうかもね。
オテントさまに背かない程度、人により差はあれど個人的に許されると考える範疇で"ずる"をする。
わかる気がします…
人が鉛筆やトークンといった、金銭ではないものを前にすると、本物の現金を前にしたときより不正をしやすいことがはっきりした。(P.45)
お金で不正を行うより、物に対する不正の方が行い易い。
うん、これも理解できますよね。
会社からお金を盗んでくるより、ボールペン1本持ってくるならやりやすい。
それに良心の呵責も少ないのかも。
・・・もちろんどちらも盗難ですけど。
ただこの"ずる"を回避させる方法がある。
それが下記。
人に自分の倫理基準を思い出させるものを与えれば、ごまかしをしようとする意欲と傾向を弱められる可能性を示している。(P.54)
へー、どうやるのって言うと、
解答用紙に"テストで得たお金は課税対象として云々"といった欄をもうけ、
それに署名させるというもの。
それを解答用紙の"最初に"署名したか、"最後に"署名したかで次のように結果が変わった。
最後に署名する条件の協力者は、実際の得点に四問ほど水増しした数を申告した。では最初に署名した人たちはどうだったか?署名が道徳心を呼び起こす役割を果たしたとき、協力者は一問しか水増ししなかったのだ。(P.62)
試験前に署名すると、ずるする回答数が減るという。
前の方が効果があるんだね。
用紙の上部に署名を求めることは、道徳心が薄れないようにする予防薬としてもはたらくことがわかる。(P.67)
という、一連の実験を通した"ずる"をする背景とその回避方法でした。
私の仕事柄、問題用紙を作るようなことがあるので、この署名の方法は価値があるなと感じました。
今は下部に作っているので、上部に持ってくるかぁ〜とか夢想してしまいました。
さて次回は後編へと。明日じゃないかもしんないスけど。
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(ダン・アリエリー著)を読んでの感想の前編です。

さっそく本文の引用から…
(引用は赤文字です)
相手が正直者かどうか、それを知る方法が一つあるーーーそいつに直接聞いてみりゃいい。
「そうだ」と答えたら、そいつは悪党だ。
ーーーグルーチョ・マルクス (P.9)
はい、こんにちは、悪党です。
茶番は置いといて、さて本題。
この本では、様々な"ずる"がし易い環境で、
人々がいかに"ずる"するのかを実験し、考察するということが試みられています。
著者のダン・アリエリー氏は、NHK Eテレの白熱教室という番組でも有名…のようです。
(ワタシミタコトナイ)
みなさまは"ずる"しますか??
しますって人はいないのかもですが、ゼッタイしないって人もいないのかも。
ずるの度合いにも寄りますが、なにがしか、過去にあるものではないでしょうか。
では本文に。
まず最初に出てくる実験は、制限時間内に初歩的な数字の問題を解くというもの。
そして解けた問題数(得点)によってお金がもらえるというシステム。
ただし、自己申告により、ウソもつける状況。
過大申請でお金をガッツリもらうことも可能…
さて、どのくらいの人が"ずる"するのか…
で、結果。
全体の平均を押し上げていたのは、得点を大幅に水増しした少数の人ではなく、ちょっとだけ水増しした大多数の人だったのだ。(P.29)
という、一部の人がガッツリ不正を働くのではなく、みな少々不正をしたという結果。
うーん、わからなくもない…
ここからは下記にように導かれています。
わたしたちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをするのだ。(P.34)
わたしたち一人ひとりが、絶対的に「罪深く」ならない程度にごまかしをする、自分なりの限界を定めているのだ。(P.41)
そうかもね。
オテントさまに背かない程度、人により差はあれど個人的に許されると考える範疇で"ずる"をする。
わかる気がします…
人が鉛筆やトークンといった、金銭ではないものを前にすると、本物の現金を前にしたときより不正をしやすいことがはっきりした。(P.45)
お金で不正を行うより、物に対する不正の方が行い易い。
うん、これも理解できますよね。
会社からお金を盗んでくるより、ボールペン1本持ってくるならやりやすい。
それに良心の呵責も少ないのかも。
・・・もちろんどちらも盗難ですけど。
ただこの"ずる"を回避させる方法がある。
それが下記。
人に自分の倫理基準を思い出させるものを与えれば、ごまかしをしようとする意欲と傾向を弱められる可能性を示している。(P.54)
へー、どうやるのって言うと、
解答用紙に"テストで得たお金は課税対象として云々"といった欄をもうけ、
それに署名させるというもの。
それを解答用紙の"最初に"署名したか、"最後に"署名したかで次のように結果が変わった。
最後に署名する条件の協力者は、実際の得点に四問ほど水増しした数を申告した。では最初に署名した人たちはどうだったか?署名が道徳心を呼び起こす役割を果たしたとき、協力者は一問しか水増ししなかったのだ。(P.62)
試験前に署名すると、ずるする回答数が減るという。
前の方が効果があるんだね。
用紙の上部に署名を求めることは、道徳心が薄れないようにする予防薬としてもはたらくことがわかる。(P.67)
という、一連の実験を通した"ずる"をする背景とその回避方法でした。
私の仕事柄、問題用紙を作るようなことがあるので、この署名の方法は価値があるなと感じました。
今は下部に作っているので、上部に持ってくるかぁ〜とか夢想してしまいました。
さて次回は後編へと。明日じゃないかもしんないスけど。
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